抹茶知識

抹茶 上場企業一覧【最新版】|製造・外食・商社の代表銘柄とビジネスモデルを徹底解説

世界的な日本食ブームの中で、今もっとも熱い視線を浴びている食材のひとつが「MATCHA(抹茶)」です。
農林水産省の統計によれば、日本茶の輸出額は年々増加傾向にあり、特に粉末状で加工がしやすい抹茶は、北米やアジア圏を中心に需要が爆発的に拡大しています。

しかし、いざ「抹茶ビジネス」に投資しよう、あるいは業界研究をしようと考えたとき、その全貌が非常に見えにくいことに気づくはずです。
なぜなら、抹茶業界は「数百年の歴史を持つ非上場企業(老舗茶舗)」と「グローバル展開する上場企業(飲料・商社)」が複雑に入り組んでいるからです。

「抹茶市場を動かしているのは、結局どの会社なのか?」
「投資対象として有望な銘柄はどこなのか?」

この記事では、東証プライム・スタンダード市場を中心に、抹茶ビジネスに関わる上場企業を「製造(メーカー)」「外食(チェーン)」「商社(流通)」の3つのサプライチェーン別に整理しました。

単なる銘柄リストではありません。各社が抹茶という商材をどうマネタイズしているのか、そのビジネスモデルと成長戦略まで深掘りして解説します。
投資のヒントとしてはもちろん、日本文化が世界産業へと進化する過程を読み解くための、ビジネスガイドとしてご活用ください。


Contents
  1. 抹茶での上場企業とは?日本茶ビジネスの現在地と市場規模
  2. 抹茶 上場企業【製造・メーカー編】原料供給と商品開発の主役
  3. 抹茶 上場企業【外食・カフェ編】消費者接点とブームの火付け役
  4. 抹茶 上場企業【商社・流通編】世界的なMATCHAブームの仕掛け人
  5. 抹茶 上場企業の将来性|投資判断で見るべき3つの成長ポイント
  6. 抹茶 上場企業まとめ|日本文化をビジネス視点で読み解く

抹茶での上場企業とは?日本茶ビジネスの現在地と市場規模

個別の企業を見る前に、まずは抹茶市場全体の構造(マクロ環境)を理解しておく必要があります。
なぜ今、投資家やビジネスパーソンが「抹茶」に注目しているのでしょうか。

抹茶での上場企業が注目される背景|海外輸出の爆発的増加データ

国内の緑茶(リーフ茶)消費量は、急須離れの影響もあり、長期的には減少・横ばいの傾向にあります。
しかし、「抹茶(および粉末茶)」の市場に限っては、景色が全く異なります。

最大の成長ドライバは「海外輸出」です。
財務省貿易統計によると、緑茶の輸出額は2023年に過去最高(約292億円)を記録しました。その牽引役となっているのが、米国や台湾、EU向けの抹茶です。

海外において抹茶は、単なる「日本のお茶」ではなく、「ヘルシーなエナジードリンク(スーパーフード)」として認知されています。
このグローバルな需要拡大を取り込めるかどうかが、抹茶関連企業の成長を左右する最大のファクターとなっています。

抹茶 上場企業の業界マップ|製造・外食・商社の役割分担

抹茶ビジネスに関わる上場企業は、大きく3つのレイヤーに分類できます。

  1. 製造・メーカー(川上〜川中)
    • 茶葉の栽培、仕入れ、加工(粉砕)、製品化を行う企業。
    • 代表銘柄:伊藤園、サントリー食品、太陽化学など
  2. 商社・流通(川中〜川下)
    • 原料を国内外へ供給する、物流と販路開拓のプロフェッショナル。
    • 代表銘柄:三菱商事、伊藤忠商事などの総合商社、食品専門商社
  3. 外食・小売(川下)
    • 消費者に直接「抹茶体験」を提供し、ブームを作る企業。
    • 代表銘柄:コメダHD、ドトール・日レスHD、サンマルクHDなど

このサプライチェーン全体を俯瞰することで、抹茶市場のお金の流れが見えてきます。

抹茶での上場企業と「非上場」老舗茶舗の共存関係

ここで注意が必要なのは、「有名な抹茶ブランドの多くは非上場である」という点です。
京都・宇治の「辻利」「一保堂茶舗」「丸久小山園」や、愛知・西尾の「あいや」などは、歴史ある非上場企業です。

では、上場企業はこれらと敵対しているのか? というと、答えはNOです。
上場企業(特に飲料メーカーや外食チェーン)は、これらの老舗茶舗から原料の供給を受けたり、ブランド監修を受けたりする「協業関係」にあります。

  • 老舗(非上場):ブランド力、最高品質の原料製造
  • 大手(上場):資本力、大量生産技術、グローバル販売網

この役割分担により、抹茶市場は拡大を続けています。投資家としては、上場企業が「どこの老舗と組んでいるか」を見るのも分析のポイントとなります。


抹茶 上場企業【製造・メーカー編】原料供給と商品開発の主役

まずは、抹茶製品そのものを製造・販売しているメーカーです。
ここでは原料調達力と技術力が競争力の源泉となります。

抹茶での上場企業の筆頭【伊藤園(2593)】の産地育成戦略

  • 市場:東証プライム
  • 特色:緑茶飲料最大手。「お〜いお茶」ブランド。

言わずと知れた日本茶業界のガリバーです。
伊藤園の抹茶ビジネスにおける最大の強みは、「茶産地育成事業」にあります。

抹茶の原料となる「てん茶」は、栽培に手間がかかるため、農家の高齢化による供給不足が課題です。
伊藤園は、休耕地などを活用し、茶農家と契約して茶葉を全量買い取る仕組みを構築しています。また、機械化による大規模栽培を推進し、コストを抑えながら安定的に原料を確保しています。

飲料だけでなく、抹茶ラテ用の粉末製品や、BtoB向けの原料供給も行っており、抹茶市場のインフラを支える存在と言えます。

老舗「福寿園」との最強タッグ【サントリー食品インターナショナル(2587)】

  • 市場:東証プライム
  • 特色:飲料大手。「伊右衛門」ブランド。

サントリー食品は、京都の老舗茶舗「福寿園」との強力なパートナーシップにより、緑茶飲料No.1ブランド「伊右衛門」を成功させました。
抹茶ビジネスにおいても、このタッグは強力です。

コンビニエンスストアやスーパーで手に入るペットボトル飲料において、本格的な「抹茶入り」の商品を展開し、マス層への抹茶の浸透に大きく貢献しています。
上場企業のマーケティング力と、非上場の老舗が持つ技術力・ブランド力が融合した、理想的な共存モデルの代表例です。

世界が認める「テアニン」の巨人【太陽化学(2902)】

  • 市場:名証メイン(※東証スタンダード上場廃止、名証単独へ移行等の経緯要確認、現在は名証メイン)
  • 特色:食品用乳化剤、機能性素材メーカー。

一般消費者への知名度は低いですが、投資家なら絶対に知っておくべき「抹茶ビジネスの真の黒子」です。
太陽化学は、緑茶から抽出する機能性成分「L-テアニン(サンテアニン)」「カテキン」の製造において、世界トップクラスのシェアを誇ります。

テアニンは「睡眠の質の向上」や「ストレス緩和」などの機能性表示食品の関与成分として、世界中のサプリメントや飲料に使用されています。
単なる嗜好品としての抹茶ではなく、高付加価値な「ヘルスケア素材」としての抹茶ビジネスを裏側で支えている超優良企業です。


抹茶 上場企業【外食・カフェ編】消費者接点とブームの火付け役

続いては、消費者に直接「抹茶」を提供し、トレンドを作り出している外食チェーンです。
インバウンド需要の恩恵を最も受けやすいセクターでもあります。

抹茶 上場企業【コメダHD(3543)】に見る和風喫茶の収益性

  • 市場:東証プライム
  • 特色:喫茶店「コメダ珈琲店」を全国展開。

コメダは、通常の「コメダ珈琲店」に加え、和風甘味喫茶「おかげ庵」を展開しています。
ここでは自分で団子を焼いたり、抹茶を点てたりする体験型メニューを提供しており、非常に高い人気を誇ります。

また、看板商品「シロノワール」の季節限定抹茶フレーバーは、毎回SNSで話題となり、集客の起爆剤となっています。
名古屋発祥の企業らしく、愛知県西尾産の抹茶を積極的に活用するなど、地域産業との連携も強みです。

抹茶 上場企業【ドトール・日レスHD(3087)】の高級ブランド戦略

  • 市場:東証プライム
  • 特色:ドトールコーヒー、星乃珈琲店などを展開。

ドトールグループの中で注目すべきは、高価格帯のアッパーブランド「神乃珈琲(かんのこーひー)」や、和カフェ業態です。
ここでは、一杯ずつ丁寧に点てた抹茶ラテや、高品質な抹茶スイーツを提供し、客単価の向上に成功しています。

安価なコーヒーチェーンというイメージから脱却し、「付加価値の高い日本茶体験」を提供することで、目の肥えたシニア層やインバウンド客を取り込んでいます。

抹茶 上場企業【サンマルクHD(3395)】の抹茶デザート展開

  • 市場:東証プライム
  • 特色:サンマルクカフェ、鎌倉パスタなどを展開。

サンマルクグループは、サイフォン珈琲店「倉式珈琲店」などを通じて、抹茶デザートを強化しています。
特にパフェやフレンチトーストなどの「食べる抹茶」メニューが充実しており、カフェタイムの需要をガッチリと掴んでいます。
抹茶をドリンクとしてだけでなく、デザートの主役として扱う商品開発力が、同社の抹茶ビジネスの核となっています。


抹茶 上場企業【商社・流通編】世界的なMATCHAブームの仕掛け人

日本の抹茶が世界中に広がった背景には、総合商社の強力なロジスティクスとネットワークがあります。

抹茶 上場企業を物流で支える【総合商社(三菱商事・伊藤忠など)】

  • 三菱商事(8058)伊藤忠商事(8001) など

総合商社は、抹茶ビジネスにおいて「原料の調達」「海外への輸出」「海外企業のM&A」という3つの役割を担っています。

例えば、海外のカフェチェーンが「MATCHAラテ」を展開しようとした時、大量の高品質な抹茶を安定供給できるのは、商社の物流網があってこそです。
また、伊藤忠商事はファミリーマートの親会社でもあり、コンビニスイーツにおける抹茶製品の展開(商品開発・原料調達)をグループ全体で推進しています。

抹茶 上場企業のOEM戦略|コンビニ抹茶スイーツを裏で支える供給網

コンビニで見かける「有名店監修」の抹茶スイーツ。
これらは、有名店が直接作っているわけではなく、OEM(受託製造)メーカーが製造しています。

上場企業で言えば、わらべや日洋HD(2918)などがセブン-イレブン向けの調理パン・惣菜・スイーツを製造しています。
こうしたOEM企業が、抹茶原料メーカー(太陽化学や佐藤食品工業など)から粉やエキスを仕入れ、製品化し、コンビニに納品する。
この巨大なサプライチェーン全体が、抹茶市場の拡大を支えています。


抹茶 上場企業の将来性|投資判断で見るべき3つの成長ポイント

最後に、投資家視点で「今後伸びる抹茶銘柄」を見極めるための3つのポイントを提示します。

抹茶 上場企業の「海外売上比率」とグローバル展開の加速

日本国内の胃袋(人口)は減少していきます。
したがって、「抹茶を海外で売る仕組みを持っているか」が最大の成長カギです。

  • 海外に自社ブランドを展開しているか?
  • 海外の現地法人への原料供給ルートを持っているか?

有価証券報告書などで「海外売上高比率」や「北米・アジア事業の推移」を確認し、グローバルに外貨を稼げている企業は、長期的な成長が期待できます。

抹茶 上場企業の「高付加価値化」|フードテックと健康需要

単なる嗜好品としての抹茶は、価格競争に巻き込まれがちです。
一方で、「健康・機能性」を付加した抹茶ビジネスは利益率が高くなります。

  • 認知機能改善(テアニン)
  • 体脂肪低減(カテキン)
  • 睡眠の質向上

こうした機能性表示食品の開発や、フードテック(代替肉の風味付けや保存料代わりの活用など)への転用を進めている企業(太陽化学など)は、イノベーションによる株価上昇のポテンシャルを秘めています。

抹茶 上場企業とインバウンド需要|コト消費としての茶道体験

円安を背景としたインバウンド(訪日外国人)需要は、抹茶業界にとって強烈な追い風です。
外国人は、単に抹茶を飲むだけでなく、「茶道を体験したい」「自分で点ててみたい」という「コト消費」を求めています。

  • 店舗で茶道体験を提供している(外食)
  • お土産用の抹茶キットが充実している(小売・メーカー)

こうした「体験価値」を提供できる企業は、インバウンド消費を効率よく取り込み、業績を押し上げるでしょう。


抹茶 上場企業まとめ|日本文化をビジネス視点で読み解く

最後までお読みいただき、ありがとうございます。
「抹茶」という一つの食材を切り口にするだけで、製造、流通、小売り、そしてグローバル経済まで、ビジネスのダイナミックな動きが見えてきたのではないでしょうか。

抹茶 上場企業の動向は「日本食輸出」の先行指標になる

抹茶は、日本食の中でも最も成功した輸出コンテンツの一つです。
抹茶関連銘柄の動向を追うことは、すなわち「日本ブランドが世界でどう戦っているか」を知る先行指標になります。

投資対象として見るもよし、ビジネスの教養として追うもよし。
これからの抹茶上場企業の動きに、ぜひ注目してみてください。

抹茶 上場企業を知った後は、実際の「味」も体験してみよう

企業の戦略を頭で理解したら、次は舌でその実力を確かめてみてはいかがでしょうか。
メーカーによる味の違いや、カフェチェーンのこだわりの一杯を体験することで、ビジネスへの理解はより深まるはずです。

(以下の記事では、ビジネス視点ではなく「味」の視点から、産地や点て方を解説しています)

抹茶 生産量 ランキング|産地で味が全然違う?特徴を知って「自分好みの粉」を見つける完全ガイド 「抹茶といえば、やっぱり京都の宇治が日本一」そう信じて疑わない人は多いのではないでしょうか? 実は、その常識はもう過去のものかも...